岩手の山奥で猟師をして、細々と暮らしている熊捕り名人の小十郎は、やがて熊が話している言葉さえわかるようになります。
熊捕り名人 小十郎は、大きな重い鉄砲をもって、たくましい黄色い犬と いっしょに ゆっくり ノッシ ノッシと 山に入って行くのです。
小十郎は、お母さん熊と子熊が 遠くを眺めているのに バッタリ出くわし、二疋の熊の うしろ姿から 後光が射しているように思えて、おもわず 立ちどまりました。
小十郎が、しばらく休んでいた そのときです。 いきなり 犬が火がついたように ほえたてました。 あの大きな熊が 両手で立って こっちへ向かって来たのです。